「プレート熱交換器」

(93年)当時   プレート熱交換器は輸入製品に頼っていた。

 しかし輸入では中間経路で費用がかかる上に高価格なのが問題である。

 そこで、低価格で国内生産はできないだろうかという相談が三洋電機の研究所より持ちかけられた。

     『性能は輸入製品と同等もしくはそれ以上に、価格は半分に』

というのが具体的な目標であった。

 その後東京フォーミング内での研究期間を経て93年5月某日、三洋電機と東京フォーミング、及びプレス、 金型、熱処理担当の5社が参加したプロジェクトチームによる取り組みがスタートした。

93年7月下旬  ブレージング・トライ開始

 ここでのブレージングとは、ステンレスと銅の融点の差を利用し、銅をロー材に用いて積層したステンレス板を結合させる工程である。この試行は7月に第一回を行った後、ロー付け不良が確認された為、幾度となく繰り返されている。

 炉の温度が銅の融点である1083℃以上であればそれで良しというわけではないので、温度と時間の最適値を得るまでの模索は、3年に渡り続いた。

 ブレージングにより接合されたプレートは耐久試験にかけられる。

 試験項目は、耐水撃と耐塩水の2種。耐水撃では約20kgf/・の高圧力で水を通過させ、耐圧性をテストする。一方、耐塩水は食塩の飽和溶液を用いる耐腐食性のテストである。

 この試験はガス会社の耐久試験規格(東京ガス・TES基準)に基づき評価される。

耐久試験規格(東京ガス・TES基準)
給湯: 連続 3,600時間 暖房: 連続 2,200時間
断続 10万回 断続 20万回

94年3月某日  耐久試験にて、プレートに割れが発生

 金型に問題があるのではないかとの予測をもとに、N社に解析を依頼したところ、9月某日、「金型不良によりブレージングが不十分なため、部分的に欠陥があり金属疲労を起こした」との回答を得る。やはり金型の精度をもっと高める必要があると判断した。

 そこで、翌日には新潟のF社を訪問、新規の金型を発注する。

 12月、F社において新規金型のトライ開始。翌95年1月10日、この日が新規金型の最終トライとなった。ここでやっと満足いく金型がうまれたのである。

 そして2月某日、完成した金型を引き取り、K社にてプレート・トライ、当社にてブレージングを行った。その後の耐久試験を経て、数カ月後、製品完成となった。

 完成までに費やした3年余りの月日は、そのままトライ&エラーの積み重ねの記録だった。

    『どこに問題があるのかを見つけるまでが大変なのだ』と開発担当者は言う。

 このプレート熱交換器で得たノウハウを元に、次の製品もすでに出荷されている。

 終わりの無い新製品開発のニーズに応えようと、東京フォーミングの技術者たちは、地道な努力と冷静な判断で立ち向い続けている。

                 【プレート式熱交換器について】

 

 熱交換器としては、もっともコンパクトでガスエアコンや油の冷却等に利用されているが、今後いろいろな利用用途が考えられ期待する商品です。

  『特  徴』

 1. 伝熱プレートを積層して結合した高耐圧、低圧損でコンパクト(Cu、Ni、ロー付け)

 2. 空調機、冷凍機、冷媒、給温水、その他の流体、冷媒ガス等の熱交換器として使用

 3. 必要な能力接続方法に応じてオーダーメードが可能

  『原  理』

 プレート(波板)を複数枚積層し二経路の空間を形成し交互に一次側液体気体二次側(液体、気体)を流し熱交換させる。

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