「排ガス熱交換器」

 排気ガスをクリーンにするために、熱交換器に触媒を入れたい。しかし、性能も落とさず外径も大きくしたくない。また、振動に対しても配慮が必要と相談がありました。

『伝熱面積を増やす』

 当社で加工しているステンレスパイプを提案し、外径を35%細くし、本数を2.2倍増やしました

 伝熱面積が42%増えた分パイプの長さを短くして触媒の入るスペースを確保しました。

 早速、試作を作り性能試験をして頂きました。しかし、満足した性能が得られませんでした。

『放熱フィンの追加』

 性能をあげる方法を思い悩んでいたとき、以前製造していた給湯器のボイラーを思い出し、パイプの中にバッフルが挿入されていたことに気づきました。客先に給湯器のボイラータンクの構造を説明しました。

 フィン(バッフル)を入れるにあたって形状が問題です。ボイラーのパイプは太く、挿入されているバッフルはプレス部品で交互に折り返しが付いている形状ですが、今回の細いパイプには不向きでまた振動対策としてパイプ内に固定することが出来ません。新たなフィン(バッフル)の形状の検討が必要でした。

 いろいろ、フィン(バッフル)の形状を模索していたとき風鈴にねじったような長細い板が付いているのを見て利用できると思いました。すぐに、材料を手配し、施盤を使ってトライしたところ「ねじったフィン」の形状が出来ました。

 条件を整えてやると、ピッチも均一になり曲がりもなくなりました。

『放熱フィンの固定』

 パイプ内に挿入されたフィンを固定するために、銅ロー付けをした試作を作り評価してもらいました。固定は旨くいき性能も出ましたが、金属組織を調べたところ粒界に銅が入り込んでいるため燃焼排ガスで粒界腐食ワレを起こす可能性があると指摘を受けました。別の方法が必要です。

 当社はロールフォーミングやシーズヒーターを製造しているため、その設備を利用してパイプを減径させフィンの固定にトライしてみました。

 最初はフィンが変形したりして旨くいきませんでしたが、パイプの径をいろいろ替えてテストしている内にパイプのフィンも変形せずパイプの内面に薄く食い込む程度で作ることが出来ました。

評価をしてもらったところ、性能・振動にも問題なく使用可能となりました。評価の過程での発見として、熱処理することにより、パイプ内面とフィンが僅かに融着しており拡散結合の様子を呈していた。また、ロー付けよりコストも安くなり品質も良くなりました。

『まとめ』

 要求仕様の製品が完成するまでに10ヶ月程かかり、生産設備の準備や制作に3ヶ月程費やし量産化となりました。

 この熱交換器をきっかけに、溝付きパイプの製作も実現しました。また、この技術を応用した部品が、エコ・エネの製品にも使われるようになりました。

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